保険商品の他社比較(イーデザイン損保のケース)

目立たない所にあるのですが、イーデザイン損害保険株式会社はサイト内↓で他社比較を行っています。
「平成21年3月時点調べ 他社との保険料比較の詳細
 および イーデザイン損保の補償名称等の表記について」
http://www.edsp.co.jp/guide/guide_010/pdf/guide_010_04.pdf
内容は、3パターンでの大手5社との保険料比較をメインとしたもので、その3パターンについては補償内容の違いも明示しています。おそらく、ソニー損害保険株式会社のものをマネしたのでしょう。レイアウトを含めてそっくりです。(ソニー損保のように商品比較とロードサービス比較で比較対象を変えるという姑息なことをする点はマネていません。)
 
イーデザイン損保としては、大手社に比べて保険料が安いことを訴求したいのでしょう。しかし、この商品比較には1点重大な欠点があります。
それは、大手社の保険料を平均にしてしまっていることです。既に、9月4日のブログ「保険商品の他社比較(ソニー損保のケース)(其の弐)」で書いたことと同じ主旨になりますが、別の表現をしてみます。
仮に、ある条件下の自社の保険料が3万円だったとします。同条件で、他社Aは2万円,他社Bは5万円,他社Cは8万円になったとします。このときに、自社の保険料は3万円!他社3社平均は5万円!と見せることは公平な比較と言えるでしょうか?
イーデザイン損保は、それと同じことをしているのです。(勿論、ソニー損保もです。)
勿論、自動車保険の保険料水準についてある程度知識がある人は、大手社の保険料水準に大きな違いがないことを知っていますから、そういう人達にとっては平均でもさほど問題になりません。しかし、イーデザイン損保がこの商品比較を見せたい相手は、一般消費者のはずです。
 
それともう1点気になることがあります。7月にはこの表を作り直すのでしょうか?7月始期で保険料を変更する損保がありますから。尤も、差が開く方向への動きですから、少々遅れても不当に自社を有利に見せているということにはなりませんが…。
 
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私は、保険料を含めた保険商品の比較を行うこと自体については、賛成です。ただし、それは公正に行うことが大前提です。歪められた比較なら、ない方がマシです。公正な商品比較が行われるようになることを望んでいます。
保険以外の分野では、家電にせよ車にせよパソコンにせよ、複数のメーカー・商品についてスペックと値段を比較して、自分の納得のいくものを選択するということは当たり前に行われています。
何故、保険についてはそれと同じことができないのでしょうか?それは販売側である保険会社が意図的にやらせないようにしてきたからです。
そのことが当たり前である時代が長かったのですが、そろそろその間違いに消費者が気付いても良い頃だと思います。